
女優としてのキャリアは結構長いのに、ベッドシーンの経験はなかった宮沢りえ。一方、歌舞伎好きや劇団マニアに絶大な人気を誇る市川染五郎。
この2人が組み、罪深い愛欲の世界を豪華絢爛に繰り広げたのが、2005年春の話題作『阿修羅城の瞳』です。
もともと『阿修羅城の瞳』は、劇団☆新感線が舞台で上演していた傑作。歌舞伎界から市川染五郎が参加し、<チケットの入手がもっとも困難な舞台>として演劇好きの間で語り継がれていた名作です。
物語の舞台は江戸時代。
江戸の街では鬼達が勝手放題を繰り広げていた。その鬼の退治を命じられた病葉出門(わくらばいずも・市川染五郎)は、今で言う殺傷愛好家。お上からもらった鬼殺しのライセンスをいいことに、市中に平和に暮らす心優しい鬼までも探し出しては殺しまくっていました。
そんなある日、美しい女盗賊のつばき(宮沢りえ)と運命的に出会い、つばきの吸い込まれるような瞳に魅了され、たちまち恋に落ちてしまいます。つばきもまた出門に惹かれ、恋心をいだきます。すると、つばきの身体に異変が……。

つばきが出門を愛すれば愛するほど、激痛とともに広がってゆく右肩の赤い痣。しかし愛し合う2人に後戻りはできません。2人きりになった部屋で、思いをとげる時、出門は優しくつばきを抱きしめます。
つばきは、着物とその下の薄桃色のじゅばんを脱ぎ捨て、うつぶせのまま静かに目を閉じ、出門を受け入れます。ほどなく上の出門の動きに合わせるように、かすかに身体を前後に動かし始めるつばき。長く待ち望んだ幸福に恍惚の表情を浮かべ、頂点へとかけのぼる快感に身を任せていました。するとまたしてもつばきの身体に恐るべき変化があらわれました。

つばきは魔界の阿修羅。出門は鬼殺し。
魔界を司るつばきと、この世を制する出門の恋は、この後魔界と人の世を掛けた闘いに発展してゆきます。しかし出門はどうしてもつばきを諦めることができません。出門は、つばきもろとも破滅の道も辞さない覚悟で、阿修羅城へと乗り込んでゆくのです。阿修羅の城内で再会した2人。
乱闘の最中、「貫きてえんだよ!お前の中に。」と叫ぶ出門、果たしてどんな結末が待っているのでしょうか?エンターテイメントとしてもたっぷり楽しめます。是非、ご覧下さい。
次回の「今夜はこれを借りて帰ろう。」は6月1日アップの予定です。
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