
人生を変えてしまう程の恋に落ち、その恋に裏切られたとき
嫉妬にかられた女は愛していたはずの男を激しく呪い、
男に近づく女たちを次々にとり殺していく―。
黒木瞳が主演し話題を呼んだ映画『怪談』は、
四谷怪談と並んで日本を代表する怪談
「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」を、
『リング』の中田秀夫監督が手がけた2007年のヒット作品。
美しい日本の四季を背景に、一人の男を奪い合う女の戦いを
恐ろしくも切なく描いた愛憎ホラーです。
いつの時代も、女性の怨念ほど怖いものはないようです。

主人公・新吉を演じるのは、歌舞伎俳優の尾上菊之助(30)。
新吉は年上の女性、豊志賀(黒木瞳)と激しい恋に落ちます。
豊志賀のヒモ同然の生活を送る新吉に、
周囲は冷ややかな視線を向けますがそんなことはお構いなし。
二人はお互いしか見えない、と言わんばかりに
幸せな夫婦生活を送っていました。
しかしある日、豊志賀は顔が醜く崩れる難病に犯されてしまいます。
新吉の必死の看病もむなしく、息絶えてしまう豊志賀。
哀しみにくれる新吉は
死の直前に書いた豊志賀からの手紙を受け取ります。
そこには、こう書かれていました。
「このあと女房を持てば必ずや、とり殺すからそう思え」
豊志賀の愛の深さにおののく新吉でしたが、
若さゆえかすぐに若い恋人を作ってしまいます。
しかし、その恋人は遺言どおり豊志賀に呪い殺されてしまうのです。
恐怖に打ちひしがれながらも、
懲りもせずまたも新しい女を作ってしまう新吉。
当然のように新しい女も豊志賀に呪い殺される運命ですが、
新吉のスゴイ(ヒドイ?)ところは、その次もその次も、
生きている限り何度でも新しい女を作っていくところ。
呪い殺されてしまう女性の気持ちは一切考えようとしないのに、
女性がいないと生きていけないダメ男なんです。
そして、いつの時代もダメ男を激しく愛してしまう女たち。
映画を見ているこっちはものすごくイライラしてしまいますが、
人事とは思えない女性も少なからずいるのでは?
「だめんず」につかまっている女性は、「人のフリ見て我がフリ直せ」です。
ダメ男・新吉につかまり不幸になっていく女性と自分を重ね合わせると、
案外スッパリとダメ男とは縁を切れるかもしれないですよ。

『怪談』に登場する女性の中でも、一番の恋愛勝ち組が
年下のかわいい女を演じた井上真央です。(結局は呪い殺されてしまう)
新吉が豊志賀とラブラブ生活を送る横で、
新吉の目に止まる場所にじっと佇み、
目が合えば恥ずかしそうに微笑んで下を向く。
自分からは動かずとも思い切り相手に意識させておいて、
新吉が豊志賀の看病で疲れたところにすかさず登場し、
激しく愛をぶつける。
これで落ちない男性っているんでしょうか。
新吉を何年にもわたり想い続けた木村多江や、
金の力で新吉を手に入れた麻生久美子よりも
よっぽどしたたかな女に感じました。
そして男が一番好きな女も、きっとこういう娘なんでしょうね…。
そのテクニック、ぜひ身につけたいものです。
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