
話題の韓国映画、『サッド・ムービー』の公開初日(11月11日)は1日ブッ通しの大雨という最悪のお天気にもかかわらず、渋谷の上映館はチョン・ウソンのファンとおぼしき若い観客で賑わいを見せていました。韓国ムービーの人気は下降気味と思っていたのですが、ヨン様に夢中になったオバサマたちにかわって、若い世代が着実に新世代スターを育てているようです。

そういうわけで、今回は、チョン・ウソンの昨年の話題作、『私の頭の中の消しゴム』をご紹介させていただきます。
『私の頭の中の消しゴム』(以下『消しゴム』)は、2001年に放映されたよみうりテレビのドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても~』が原作。公開間際に盗作疑惑で話題になりましたが、それが逆に宣伝効果になったのか、263万人の動員という韓国映画としては空前の興行成績を記録しています。(『消しゴム』より1ヶ月前に公開されたペ・ヨンジュンの『四月の雪』は81万人。)
原作の永作博美のドラマとどこが違うのか観てやろう、という意地悪な動機で劇場を訪れた観客までも感動の渦に巻き込こんだのは、やはり作品の力なのでしょう。
さて、ストーリーです。
ソン・イェジン扮するスジンは大手ゼネコン会社の社長令嬢。天真爛漫なお嬢様らしい行動が、運命の恋を引き寄せます。その恋の相手が、チョン・ウソン演じるチョルス。彼の仕事は土建屋の職人さん。スジンパパの下請なんですが、「そんな手抜き工事ができるか!」と、現場監督を怒鳴りつける、気骨のある男です。(どこのお国にも耐震偽造問題はあるようですな。)
よくある身分違いの恋みたいな始まり方をした2人ですが、結婚して幸せな家庭生活を始めます。
しかし、そんな幸せな結婚生活も長くは続きません。
ある日、スジンの言動が少しおかしくなってしまうのです。単なるおっちょこちょいとは明らかに異なる変調を見せ始めるのです。
物語の最後の方では痴呆の症状が進み、スジンが正気でいる時間は段々短くなって行きます。
それでもスジンは、本来の自分を取り戻した時に「忘れちゃうから、もう優しくしないで。」と、痴呆の自分を捨て、新しい人生を選ぶよう促すのです。すると、チョルスは「僕が君の記憶で、僕が君の魂なんだ。」と、いい、外出のふりをして庭で1人、泣き崩れてしまいます。わずかに残った正気の時間で、自分の未来を心配してくれる女性への愛しさがこみ上げてくる切ないシーンです。
それにしてもこんなセリフ一回ぐらいいわれてみたいものですね。たぶん、スジンのセリフがあるから、この「僕が君の」というセリフが出てくるんでしょうね、いい言葉がいい言葉を呼び寄せたのではないでしょうか。
ここからラストまで泣きまくりのまま突入しちゃって下さい。ティッシュケースは手元に置いておくことをおすすめします。
ラストはカーテンコール代わりの大団円が見られます。あなたはどう解釈なさいますか?新作ではないので1週間借りられます。じっくり考えて見て下さい。
(2004年/韓国/117min)
配給:GAGA
監督:イ・ジェハン
次回の「今夜はこれを借りて帰ろう」は12月1日アップ予定です。
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