恋の花びら大回転

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【第91話】ハーフマラソンに挑戦!後編

2017.8.1

全く運動したことのない小太りな中年女性が、いきなりジョギングを始めて1年が経過。調子に乗ってハーフマラソン大会に出場してしまったので、前回に引き続きその様子をレポートしています。

寒くて寒くて「もう死にたい…」と200回くらい繰り返した頃、とうとうスタート砲が鳴り響きました。私の目標は、時間がかかってもいいから、途中で歩くことなく、とにかく完走すること。制限時間が2時間30分なので(もちろんそれ以上かけて走ることも可能ですが、測定されないので公式の記録として残らない)、それまでにゴールしたい。

最初はゆっくりしたペースで走っていたので、川沿いの景色を眺める余裕もありました。1キロも走ればだんだん体が温まってきて、寒さが気にならなくなります。冷たい空気がむしろ気持ちいい。

途中、サッカーの試合をしていた子どもたちのボールがコース上に入ってしまい、それを男性ランナーが蹴り返してあげたら、私の太腿に見事にヒットするというハプニングもありました。その男性にめちゃくちゃ謝られましたが、好みのタイプだったのでむしろご褒美という感じ(笑)。

しかし、そんなのんきなことを言っていられたのは、折り返しを過ぎたあたりまで。15キロを過ぎて、残り6キロを切ったあたりから、めちゃくちゃつらくなってきました。

足が全然あがらないし、息もできない。さっきまで爽やかに見えていた川沿いの景色も、何も目に入ってこない。「あと●キロ」の看板が見えても、「まだそんなあるの!?」と絶望するばかり。

苦しさのあまり、私の口から思わず出てしまった言葉は、「国家公務員…」でした。人間、切羽詰まると何を言い出すかわかりません。

残り2キロは、ほぼ気絶しながら走っていたと言っても過言ではありません。うっすら覚えているのは、近くにいるランナーに勝手な憎悪を燃やし、こいつだけは抜かしてやる!ということを目標にしていたこと。極限で頼りになるのは、怒りや憎しみのパワーなんですね。

ゴールまで500メートルを切ったあたりで、勝手にライバル視していたランナーを抜かすためにスピードを上げ、そのペースを保ちながらゴール!

記録は、2間24分54秒。制限時間ギリギリでしたが、目標達成です。

中学校のマラソン大会でダントツのビリとなり、全校生徒全員に拍手で迎えられていた私が、ハーフマラソンを走れるようになるなんて夢にも思いませんでした。

30代後半にして、「私だって、やればできるんだなぁ」という変な自信がつきました。ここまで書いてしまったら、もうフルマラソンに挑戦するしかないので、こそこそと頑張りたいと思います。ご清聴ありがとうございました!

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藍川じゅん

藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!

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