ユミちゃんはもともと生理不順な人だった。
だから、2、3ヶ月生理が来なくても気にしないでいたのだが、
ふと気がつくと、あれ?もう半年以上、生理がない。
でも、これは実に好都合。
たまに来る生理はけっこう重く、
ユミちゃんはそのたびに数日間寝込んでしまっていたのだ。
生理前のイライラも激しかった。だから生理は天敵。
これさえなければ人生、どんなにハッピーだろうと思っていた。
それが無い。
「いや~、ここんとこ調子いいわ」
と高笑いのユミちゃんなのだが、ちょっと待った。
それは、健康的にはどうなのさ?うら若き乙女(?)に生理が無いなんて、
それはちょっと問題なのじゃない?
病院に行ったら?というアドバイスに、ユミちゃんは「え??」と、
あまり乗り気ではなかったけれど、
仕事仲間の「それ、まずいかもよ」という一言で、
しぶしぶ婦人科の戸を叩いた。
「いつから無いの?」
医者の質問に首をひねるユミちゃん。
もともと不順だったから、正確なところがわからない。
「半年くらいだと思いますけど……」
「ふ~ん。良くないね」
「良くないですか?」
「うん、良くない。生理がないということは、
不妊になるというだけでなく、
体の機能が全部狂ってしまうことだからね」
「え??」
「楽だなんて、思わない方がいいよ。さて、これから治療が大変だ」
「そうなんですかぁ??」
全然、大変だなんて思っていないユミちゃん。
子供なんか欲しくないから、このままでも良いじゃん、
と思っていたのだけど、どうもそんなに簡単なことではないらしい。
どうもユミちゃん、最近流行の
低年齢の更年期障害になってしまったらしい。
生理がないのも閉経の印。これはヤバイ。マジでヤバイ。
閉経したらホルモンバランスが狂って、
体が芯からガタガタになってしまう。
「まずはホルモン療法をしよう。注射と薬とどちらがいいかな?」
「痛いのは嫌だけど……。薬も面倒臭い」
「面倒だとか、そんなことを言っている場合じゃないんだよ」
まったく危機感のないユミちゃんに、医者は半ば呆れながらも厳しく言う。
「ちゃんと治療しないと……」
「はい」
返事はしたものの、定期的にどこかに通うなんてできないユミちゃん。
だから普通のお勤めを諦めたのに、いくら自分のこととはいえ、
病院に通うのは本当にチョー面倒臭い。
2、3回通ったら、もう行くのを止めてしまった。
「自分のことなんだからさ、もっと真面目にやんなよ」
同僚が苦言を呈してくれるけど、それでも真剣になれないユミちゃん。
「だってさ、困んないじゃん。別に具合が悪いワケじゃないし」
「具合が悪くなってからじゃ遅いんじゃない?」
「えー?そんなことないよ、きっと……」
こんな風に、いい加減な若い女性は多いらしい。
鬱陶しくても何でも、女性にとって生理というのは
無くてはならない体のサイクルなのだ。
これが上手く機能していないと、体はどんどん老化していく。
20代そこそこで50代の肉体になるなんて、
考えただけでもゾッとしないのかな?
「あの子にはわかってないのよね。
どんなにお金をかけて体を磨いても、
中身がボロボロなら何の意味もないのに……」
本当にそうなのだけど、こういうケースだとつくづく思う。
健康というのはお金だけでは買えないのだなぁ、と。
ユミちゃんの危機感の無さは、ユミちゃんの危機をどんどん広げている。
皆様にご愛読いただいてきた
「お金はあるのに何故買えない!?」は今回で終了です。
ありがとうざいました。

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