お金はあるのに何故買えない!?

目が悪いことがこんなに大変だとは

めがね禁止の店内

この頃、眼鏡っ子というのが流行っているようだけど、サユリちゃんの勤める店内では眼鏡禁止。
ということでコンタクトを使い始めたサユリちゃん。ところがどっこい、自分が強度のドライアイだとは知らなかった。
コンタクトを入れた途端に目が乾く。目が乾くと視界が白くかすんで、もっと見えなくなってしまうのだ。お客さんの前で目薬を入れるわけにもいかないし……。
そんなに目が悪いのかというと、それほどでもなく、サユリちゃんの視力は0.3くらい。だけど、すごい乱視だから、裸眼のままだと、素面でいても目の前がゆがんで見える。しかも薄暗い店内。視界はさらに悪くなる。
だからコンタクト。なのに役立たず。
 
裸眼でいると、しっかり見ようという癖で、どうしてもお客さんを見る目が、睨んだようになってしまう。
うむ、困った。
見えないのをあきらめて、ゆがむ視界に我慢をしていると、サユリちゃんの瞳はなんとなく潤んでいて、なかなか良い感じなのだけどね。知らぬは本人ばかりなり。
でも、どんなにうるうるでも、見えなければ意味がない。おまけにコンタクト入れると途端に乾く。どうにもならない。
「なんかぁ、近視を矯正する手術があるじゃない。あれでもやってみたらぁ」
同僚のエミが言った。エミは整形しまくりの女。身体にメスを入れることを何とも思っちゃいない。だからサユリにも視力矯正手術を勧めたのだ。
「ああ、角膜に溝を入れるってやつね」
「うん。すぐできるって」
乱視はともかく、近視が少しでも良くなるなら、と、サユリちゃんも考えないではなった。でも、ちょっと怖い。
「麻酔かけるから痛くないし、すぐできるよ。ピアスの穴を開けるようなもんでしょ」
エミの言葉に、サユリちゃんは手術をする決心をした。

医者はシビアだ

サユリちゃんは病院を調べ、早速行ってみた。まずは視力検査。その結果を受けて、医者が説明をしてくれた。
「この視力では、手術するまでもないですね。眼鏡の矯正で十分ですよ」
いや、眼鏡をかけられないから手術をしたいのだ。
「え、眼鏡はかけちゃいけないんです。でも、コンタクトも入れられないんです。だから……」
「でもねぇ、このくらいの視力じゃ、手術はできないんですよ」
「自費でも良いです」
きっと、保険を使うと診療報酬が請求できない範囲なのだろうと思ったサユリちゃんは勝負に出た。
「いや、そういうことじゃないです」
医者はきっぱりと言う。
「ドライアイは目薬で対処しましょう。手術は本当にできませんから。あれはね、0.1以下の人で本当に困っている人じゃなきゃできないですよ」
私だって本当に困ってるんだぁ????!!!しかし、サユリちゃんは叫ばなかった。
「そうですか」と言って、すごすごと帰ってきた。
相変わらずサユリちゃんは、見えづらい目で一生懸命、仕事をしている

次回の「お金はあるのに何故買えない!?」は2月4日アップの予定です。

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