お金はあるのに何故買えない!?

ハーレーにあこがれて

まずは教習所に行っちゃいました

 免許を持っていないルリちゃんが突然、教習所に行くことを決意した。車の免許を取るわけではない。目的はバイクの免許。それも大型。
  ルリちゃんは身長150cmとミニサイズ。それでも乗りたいバイクがあるのだ。その名はハーレー・ダビッドソン。雑誌のグラビアを見て一目で気に入ってしまい、免許もないのに買ってしまったのだ。しかも、自分の身長に合わせて、車体をシャコタンにしたり、ステップの位置をずらしたりと、いろいろと手を加えてある。
  近所の駐車場に停めて、天気の良い日はお掃除がてらちょっとまたがってみる。
  「ああ、早くこれを走らせたいなぁ」
  ルリちゃんの脳裏には、高速道路を快適にとばす自分の姿がくっきりと浮かんでいる。
  しかし、バイクの大型免許はそう簡単に取れるものではない。まずは普通二輪免許を取って、その上で大型の教習を受けなければならないのだ。
  ということで、ルリちゃんはいそいそと教習所に向かう。申し込みをしたその日に早速、第1回目の教習開始。第1回目は倒れたバイクを起こす。
  ところが、これが重い。教習所のバイクは400ccの大きなバイク。重量も半端ではない。手こずっていると、教官が手伝ってくれて、なんとか起こすことはできたけど……。
  問題はその先にあった。ルリちゃんは、起こしたバイクを支えられずにふらふら。
  「そんなんじゃ、いつまでたっても乗れないぞ」
  という教官の檄にめいっぱい踏ん張るのだが、車高の高い重量級のバイクは、支えて立つのが精一杯で、とても押して歩くところまでできない。
  さらには、それにまたがろうとすると、すぐに倒れそうになる。かろうじてまたがっても、足が着かない! お尻をずらしてどうにか片足のつま先が付く程度。これは怖い。

さて、免許は取れるかな?

 目に涙を一杯溜めて、何一つ自分ではできずじまいで、第1回目の教習は終了。こんなことでバイクに乗れるのか?
2回目の教習でも、ルリちゃんは教官の指示通りに動けない。大きなバイクに乗っているという恐怖が、ルリちゃんの身体を硬くしてしまうのだ。
  そんな状態でクランクだとか、S字だとか、さらには一本橋なんか走れるわけがない。いつまでたっても先に進めず、同じところでつまずくルリちゃんに、さすがの教官も、「君には無理じゃない?」と言うしまつ。
  エンジンをかけたバイクがこんなに怖いものだとは思いもしなかった。
  一緒に始めた人たちはどんどん先に進んでいく。ルリちゃんだけがコースを消化できず、外側のオーバルコースをてれてれ走っている。教習回数もオーバーしまくり。だけど、身体がこわばって、どうしてもクラッチを入れたり切ったりの動作ができないのだから仕方がない。
  「最長でも半年以内に教習を終えないと、免許は取れないぞ」
  という教官の言葉が、ますますルリちゃんを緊張させる。
  こんなところでこの調子じゃぁ、大型免許なんて夢のまた夢。こればっかりはいくらお金を積んでもダメなのだと思うと、ルリちゃんの目にはまたもや涙があふれてくる。
  そんなルリちゃんの脇を、同じくらいの小柄な女性がすり抜けていく。颯爽とした後ろ姿を見つめながら、ルリちゃんはやる気を出すのではなく、バイクを諦める決心をした。

次回の「お金はあるのに何故買えない!?」は2月18日アップの予定です。

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