お金はあるのに何故買えない!?

女王様のディスカッション

女王様の悩み

「最近さぁ、レベル落ちてると思わない?」
飲み会の流れで落ち着いた深夜のカラオケボックスで、ユウカがため息をつくと、
「そうそう、根性がないのよ。やることが女みたいでさぁ。もう頭にくるったらありゃしない」
と、隣に座っていたイズミが言った。
他にも2人、併せて4人の女がいる。全員が“女王様”である。
女王様たちが愚痴っていたのは、仕事のことではなく、プライベートで飼っている“奴隷”のこと。
“女王様”と一言でいっても、ビジネスの上だけで、プライベートは別というタイプと、プライベートも“女王様”、という2つのタイプがある。
このカラオケボックスにいる2人が後者だ。ユウカは奴隷を一匹、イズミは奴隷を2匹飼っている。
奴隷を飼うのは犬や猫よりもコストがかかるし、調教も半端ではなく大変らしい。

勘違いの奴隷たち

「この前さぁ、家に帰ったら、1匹が台所で料理を作ってるのよ。『おかえりなさーい』とか言っちゃって。私、寒気がしたわよ。なに対等にしゃべってんだよ! 二足歩行してんじゃないよ!って」
  と、イズミ。
「そうだよね。“ヒモ”を飼ってるわけじゃないんだからさ」
「まったくさぁ、もっと根性入れて“犬”になるやつ、いないわけ? ちょっと力入れると、すぐに『キャン』言うし」
「時給とかにして募集してみる?」
「なんで奴隷に給料払わなきゃいけないのよ。それに、給料払ったら真剣度が減るだろが」
「そう、だよねぇ……」
どういうわけか、バブルの頃は奴隷希望者が山のようにいたのだそうだ。
ところが最近は、会社や家庭でいじめられて、日常がM男状態になってしまっているらしく、店の客も減少傾向。やってくるのは真性のMか興味本位の一見さんが大半を占めるという。その中から、気に入ったのをチョイスしたいが、店の客には手を出さないのが業界の掟。

「奴隷に対する認識が甘いんだよね」
と、イズミ。
「それと、2匹ってのがいけないんじゃない?」
と、ユウカ。
「なんで? 以前は私、3匹飼ってたよ」
「いやぁ、なんか、2匹だと雄と雌に役割分担ができちゃうような気がする」
「そういうものかしら?」
イズミとユウカは今夜も、奴隷の調教についてディスカッションを欠かせない

次回の「お金はあるのに何故買えない!?」は10月1日アップの予定です。

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