お金はあるのに何故買えない!?

ブランド店が販売拒否

イザ買い物 臨戦態勢

念願のフランス旅行。航空券も格安なら、ホテルも格安クラスで、どちらかというとしみったれた旅ではあったけれど、サッちゃんは張り切っていた。
なぜなら、旅行の目的はブランド品を買いまくること。だからそれ以外の経費は極力、節約したのだ。
この旅には同行者がいた。同僚のマリエちゃん。こちらは買い物には興味がなく、とにかくパリの町を歩いて、パリジェンヌ気分を満喫したい派。
それぞれの目的は違っても、ガイドブックを片手に二人仲良く旅立った。

さて、パリ滞在はたったの3日間。初日は土地勘を得るために、サッちゃんとマリエちゃんは二人でパリの町をそぞろ歩く。で、サッちゃんは、ブランド店を見つけるたびに地図に印を付け、明日の行動予定をがっちりと作っていた。
2日目、マリエちゃんはルーブル美術館が見たいと言って、朝も早よから出かけてしまった。一足遅れたサッちゃんは、まずは近くのカフェで時間をつぶし、ブランド店が開店時間にあわせて戦闘準備に入った。なんといっても今日だけで、7つのブランド店を巡るつもりなのだ。
最初に入った店はルイ・ヴィトン。
本日最初の客であるサッちゃんに、店員は少しいぶかしげな視線を送ってきたものの、片言英語のサッちゃんに丁寧に対応してくれた。

店は客を選ぶ?

で、2件目はシャネル。
ルイ・ヴィトンの袋を下げ、ジーンズにスニーカーのサッちゃんを見た店員は、固まっていて、誰も対応に出てこない。というか、見ないふりをしている。
「エクスキューズミー」
サッちゃんが店員に声をかけると、仕方なさそうに一人の店員がやってきた。
「このバッグが欲しい」
と英語で言って、目の前のバッグを手にしたとたん、店員が叫んだのは、
「ノン!」
サッちゃんは、「あ、ここでは商品に直接触れてはいけないのだな」と思った。ところが、それから店員はなにやらフランス語でまくし立てばかりだ。
サッちゃんには何が何だかわからない。仕方がないのでボディランゲージに出ることにした。
「キャッシュで払うから。ほら、大丈夫、お金いっぱい」
そう日本語で言いながら、ユーロ札でふくらんだ財布の中身を店員に見せた。
すると店員はさらに怒る。とにかく出て行ってくれ、と言わんばかりに、サッちゃんを店の外の方に追い立てた。
結局、サッちゃんはここでは何一つ買い物ができなかった。

買う側にもマナーが

憤慨したサッちゃんがホテルに戻って、そのことをマリエちゃんに話すと、
彼女は「サッちゃんが悪い」と言うのである。
「気位の高いブランド店に、ほかのブランドの紙袋を持って入るなんてもってのほかだよ。それに、そのとき、サッちゃんはシャネルのものを何一つ身につけていなかったでしょ? さらに悪いのは『金ならある』という態度を示したこと。これって、お店にとっては屈辱なんじゃない?」
ヨーロッパの高級ブランドのショップでは、買う側にもマナーが必要なのだ。なんでも、ジーンズにスニーカーで店に入れるのは日本と香港の支店くらいのものらしい

次回の「お金はあるのに何故買えない!?」は10月15日アップの予定です。

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