ゆうりちゃん、20歳、出身地は島根県。
出身地の山陰地方のイメージと違ってこのゆうりちゃんはめちゃめちゃ明るい。
いったん話を始めると、いつまでも話しているのではないかというほど話が途切れない。
例えば、好きな食べ物を聞いたときの答えだ。
「フルーツ、なかでもパイナップルとマンゴー、両方とも毎日でも食べられる。パイナップルは、甘酸っぱさがたまらないし、マンゴーなんかご飯変わりにしたいぐらい。でもマンゴーって高いでしょ。とくに、東国原知事が一生懸命PRしている宮崎産のマンゴーは、ほんとに美味しいけど、一個3.000円ぐらいするからめったにたべられないのよ。知事もそのへんのことを考えてくれればいいのにね。だって、買ってもらいたいからPRしているんでしょ。だったら値段だって考えてほしいよね」
たいていのインタビューでは、同じ質問をしても「フルーツ」、せいぜい「フルーツ、とくにパイナップル」ぐらいの答えしか返ってこないことがほとんどだから、ゆうりちゃんが、どれくらい明るく、そして話し好きかがこれだけでもわかる。
山陰地方に対するそれまでのイメージがガラガラと音を立てて崩れてしまった。
地域のイメージを変えてしまうほどの明るさパワーを持つゆうりちゃん。
生活も自由奔放のようだ。
出勤の回数を聞いたら、今月はもう「4回も」出勤したという。
えっ、「4回も」って、もう月半ばなんですけど。「も」ってどういうこと。
えー、先月は3回ぐらいしか仕事してないって。だったら、4回に「も」がついてもおかしくない。
もし、ゆうりちゃんが、昼間、学校にいっているとか仕事している場合だったら、4回だって立派な出勤数だ。しかし、彼女はこの仕事以外は何もしていない。何故そんな出勤が少ないのだろう。
「だって、先月は欲しいものがなかったんだもん。ファッションが大好きだから、欲しいものがあったら、もっと働いたと思うけど、先月は、いろいろお店をまわってもこれっていうものがなかったんだぁ。お金使うところがないんだから、そんなに働かなくてもいいでしょ」
はい、そういう考え方もありますね。欲しいものがあるからそのために働く、なかったら働かない。非常にシンプルだ。もしかして経済の原理では・・・と思ってしまった。でもね、ファッション以外にも、旅行がしたいとか、将来のこととか、いろいろあるじゃないの、普通はさ。
ところが、ゆうりちゃんはやっぱりマイペースだ。
「うーん、東京が一番好きだから、どこかに行こうなんて思ったことないし、将来のこともあんまり考えたことない。だから、欲しいものがある時にお金があればいいの」
その割り切った考え方には、あやうさも感じるが同時にさわやかな感じさえする。
しかし、彼女のスタイルだったら、とくにお金が必要なわけでもないはずだ。なのに、何故、今の仕事を選んだのだろう。
ゆうりちゃんは、もともと介護福祉士を目指して専門学校で勉強していた。だが実習のときに介護の現場にいって、とても自分には出来ないと感じたのだという。このあたりのことだけは、話し好きのゆうりちゃんの口がなぜか重くなったから、よほど大変だったに違いない。
介護福祉士という夢をあきらめ、毎日、何にもしないでボーと過ごしていた彼女を、ある時、自分のペースで出来る簡単な仕事だからやってみないと友達が誘った。
それがきっかけだった。介護福祉士をあきらめ、男性への奉仕の道に進んだのだ。風俗には、男性への福祉という一面がないことはないから、案外彼女にあったのかもしれない。
それからは、まさにマイペースでなんの引け目も感じず、欲しいものがあれば働くという日々を送っている彼女だが、今はちょっと、昼の仕事にも関心が生まれてきたらしい。昼の仕事と今の仕事を掛け持ちでやりたいというのだ。あまりにも自分のペースで日々を送れてしまうことに、無意識のうちに不安を感じているのかもしれない。
「働くとしたら、普通のカフェかな。お客さんのファッションを見ているだけで、楽しいし、よくきてくれる人とだったらすぐ友達になれそうだし、なんか楽しそうじゃない」
ゆうりちゃんだったら、きっと楽しめるんじゃない。でも、そんなにファッションが好きだったら、もうちょっと出勤数を増やして、入学金ぐらいは作ってファッションの学校とかに行った方がいいんじゃない?ゆうりちゃん。月4回ぐらいだったら、学校いきながらだって仕事できるんだからさあ。
ゆうりさんは本当に明るい!初対面の私にも気さくにいろいろ話してくれました。
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