恋の花びら大回転

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【第101話】「風俗は可哀相?」

2018.1.9

女性用風俗に行くって話をすると、必ず

「可哀想に。俺がタダで抱いてあげるから」

みたいなことを言う人がいる。

もちろん、社交辞令で言っている人がほとんどだろうし、私だって好みのタイプの子が風俗よく行くって言ってたら「私、タダでいい仕事するよ!?」と売り込むと思う。

でも、男女問わず「風俗に行く=お金を払わないとセックスできない」というわけではないですよね。

プロのテクニックを堪能したかったり、面倒なプロセス(口説いたり食事したり)を省きたかったり、割り切った関係を求めていたり、そもそもあの空気感が好きだったりと、風俗を利用するにはいろんな理由があるはず。

「風俗に行く人間=可哀想」と決めつけるのは、あまりに軽はずみだと思う。

先日初めてお会いしたAさんという40代の男性は、私が女性用風俗を利用してるという話をした途端に、

「そんなお金払う必要ない! 俺がいるから! すぐ連絡して!」

と、何故か「俺が助けてあげる」みたいな口ぶりで熱心に連絡先を聞いてきました。

いつもの社交辞令かと思って「あーハイ、じゃあ性欲がたまったらお願いしまーす」と受け流したんですが、その日からAさんのラインがめっちゃ来る。

内容は「俺がいるからもう安心して!」みたいな感じ。

Aさんには、まず想像してもらいたい。

プロの作った料理が好きって話をしてるのに、「そんなものよりこっち食べた方がいいよ!」と、どこの誰だか知らない素人の作った飯をグイグイ勧められてしまった時のウンザリした気持ちを。

何故、何の根拠もなくプロの料理と張り合えると思えるのか、謎です。

もちろん素朴な家庭料理も大好きだけど、それは好きな人と食べたいのであって、お前の作ったものは食べたくないのだ。

「俺、頑張るから!」「満足させるから!」としつこいAさんを「あーハイハイ」とあしらっていたら、

「こういう時は、照れなくていいからね(笑)」

とか言い出す始末。ポジティブ~!

仕方なく「タダマン枠は順番待ちしてる人多いんで、順番が回ってきたら連絡しますね」
と言ったところ、

「は!? 風俗以外でもやってんの!? なんで!?」

と、なぜかキレ気味のAさん。どうやら本当に「風俗に行く=モテなくて可哀想な人間」と思い込んでいたようです。

その後、Aさんからの連絡はパッタリと途絶え、心の平穏が戻りました。

風俗好きな男性が、「風俗なんて行ってるの?だったら私がタダでしてあげるのに」とブスに言われた時のイライラした気持ちを、身をもって体験してしまいました。

「してあげる」は、痴女プレイ中以外では決して言うまいと心に決めました。

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藍川じゅん

藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!

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