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恋の花びら大回転

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【第42話】ご褒美ナンパ

2015.7.7

先日、夜の繁華街を一人で歩いていたら、横から大きな人影がヌッと近づいてきたので、思わず身構えた
だって、変質者かもしれないし。
あるいは、私を今日の取り組み相手と勘違いした力士かもしれない。
まわしを取られまいとサッと身をかわしたところ、そこにいたのは力士ではなく若いサラリーマン。熊みたいに体は大きいけど、まだ顔が幼くてお肌がつやつやしている。

「わ、びっくりした…」

と声をあげると「び、びっくりさせてごめんなさい!」と全力で謝られた。そして、
「あのっ、僕たち今からそこの店で飲むんですけど、よかったら一緒にどうですかっ!」

って、ナンパされた。
ナンパ!!
されましたー!!!!(ドーン)(銀色の紙吹雪)

他に若くてかわいい女の人がたくさん歩いてるのに、わざわざずんぐりむっくりした小太りのババアに声をかけるあたり、彼の気の小ささを表してて非常に好感持てます(小心萌え)。

しかしながら、というかまあ当たり前なんですけど、友達と待ち合わせしていたので、泣く泣く断ってしまった。後ろ髪引かれる思いで、「ごめんね!」としつこく謝りながら立ち去りました。

ナンパといえば、今にもゲロ吐きそうな、くたびれたおっさんにニヤニヤ話しかけられたり、チャラチャラした奴につきまとわれた挙げ句「ブス!」と捨て台詞を吐かれたりと、もはや通り魔に近いイメージだったんですが、今回のナンパは通り魔どころか突然のご褒美。
クスリも万引きもやらずに、真面目に生きてきた甲斐がありました。
わいせつ物陳列罪に抵触するようなことはよくやってますけど。

しかし、みなさんこういったご褒美ナンパに遭遇できたとき、どう対応してるんでしょう。
一人でブラブラ繁華街を徘徊することなんてめったにないし(数年に一度あるけど、そういう時に限って誰も相手にしてくれない)、たいてい約束や電車の時間に向けて急いでたりする。一人で飲んでる時ならともかく、歩いてる時のご褒美ナンパには対応できないよね。
…っていう話を友達にしたら、

「そんなの、『今日は無理だけど、また別の日に飲もう☆』って言って、その場で連絡先交換すればいいだけじゃん!」

と言われて、目から鱗。
そんな手があったのかー!! と崩れ落ちました。
ナンパとは、まさしく一期一会。その場でいいなと思ったら、即メアドを交換するくらいのガッツ&がっつきが必要なんですね。おばさん、いい勉強になりました。今更こんなこと学んでも、もう今後ご褒美ナンパなんてないと思いますが。

風俗求人サイトなんか100%見てないと思いますけど、あの時の熊リーマンの方、もしこれを読んでたらご一報下さい!(悪あがき)

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藍川じゅん

藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!

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