風俗嬢チエの風俗嬢ってどないやねん！！
客に泣かれた風俗嬢(前編)
20歳の男の子「ひょろり君」
うぅ～ん……困った……
ちょっと聞いてくれる??
こないだな。
パネル指名で20歳の男の子に付いたんよ。
すっごい細い子。「ひょろり君」の名がふさわしいくらい細くて、
色白できゃしゃな男の子。
ちょっと戸惑ったわ。
だって、ハタチっつったら、チエの弟とほぼ同い年なワケ。
抵抗あるやん、「いいのかなぁ～」みたいな。
でも、「いつも指名する子がお休みやったから」っていう理由を聞いて、
「あぁ、○○ちゃんの客か。」って分かったんやけど、
人の客ならなおさら丁重に扱わないと、
機嫌損ねて来てくれなくなっちゃったら、チエが怒られるやんか?
「頑張ろう」と思ったわけや。
そんですべすべのお肌をおそるおそる触って、優しく優しくサービスしたら、
結構喜んでくれて、上機嫌で帰ってくれてん。
「よし、任務完了!!」って感じでその日は良かったんやけど、
翌日また来たんよ。その子が!!
しかもチエ指名で、昨日の倍の90分!!
「……アレ?マズッタ??」
とも思ったんやけど、今日も○○ちゃんはお休みだったんよね。
「あぁそれでか」とも思ったけど、な～んか嫌な予感が・・
「厳戒注意」発動!!
お出迎えの時に「あれ～??また来てくれたの!?」と笑顔で迎えたら、
これ以上ないくらいの笑顔で、「会いたかった!!」って抱きつかれた!!
「ええええ～～～???」……みたいなさ。
ちょっとマズイ構図やない？
いくらキャバクラと違って、指名の女の子以外とは顔合わせないからって、
友達のお客はあんまり取りたくないのがホンネやん……。
やばいなぁ、あんまり差し支えないように接客したつもりやったんやけど。
でもま、指名もらったからには、手を抜いたらアカン。
心を込めてサービスじゃ!
……とは言うものの、なんせこの子ハタチ。
話合わん。
いつもチエ弟と何話すっけ??
ポケモンとか??
……いやそれはさすがにナイやろ!!
う～んう～ん……
しかし、その子はチエの心配をよそに、
チエの顔をただ見つめてニコニコしてるねん。
よっぽどチエに逢いたかったのねってカンジ。
「いきなり90分ってすごいね」
「うん、貯金おろしてきた」
……って、オイオイッ!!
なんかますますヤバイ雰囲気やんけ……。
とりあえずシャワー浴びにいったんやけど、
チエが自分の手とか洗ってる時に、後ろから抱きしめてきて離さんのや!
「あのね、体だけ先に洗っちゃおうね」
「うん、でもくっついてたい。」
ああぁ……この展開はマズイ～～
邪魔なことこの上ない～
……じゃなくて。
こーゆータイプの男の子って、恋愛経験や、免疫がない分、
惚れやすいオッサンよりも厄介。
……とか言ったら悪いけど、
すごく扱いに気をつけないと、すぐに惚れられちゃうから厳戒注意なんや!!
下手に惚れさしてしまったら、もの凄く傷つけてしまうから、
言葉一つ一つに頭回さないとアカンのよ～～
あ゛あ゛ーめんどくさい!
「Ｋくん、○○ちゃんが好きなんだよね？」
「う～ん、今はちえちゃんの方が好き」
「そぅ、アリガト。じゃぁプレイに入るから、そこのシートに寝て」
「え、まだいいよ。チエちゃんともっと話したい。」
う……カ、カワイイ……じゃなくて、
「だめでしょ、気持ち良くなりに来たんでしょ?」
「う、うん……」
「じゃぁ早く始めよ！」
多少冷たくてもいい。この雰囲気には危険な展開が予測できる。
この子は変に優しくすると、純粋に恋愛感情を抱いてしまうタイプや。
危険信号を少しづつ出してやらねば！
てなわけで次回へ続く。
次回の「風俗嬢ってどないやねん」は6月13日アップの予定です。
チエ
23歳の風俗3ねんせい。一緒に暮らしている彼にばれることなく仕事を続け、ガッポリためこんでいる大阪・ミナミの風俗嬢。
