風俗嬢チエの風俗嬢ってどないやねん!!

耐えるかVS告白か(後編)
限界に近い平常心を、なんとか保とうとするが、
だって、気を紛らわせるにも、一体どこに目をやればいいの・・・・
「ぶぷっ・・・・!!」
思わず鼻から笑いが噴き出す。
それを慌てて、せき払いに変えた。
「ぐぉほんっ!!ぶふしゅんっ!!」
「大丈夫か?浅葉くん」
ちょっとちょっと・・・咳きこんだ時まで「浅葉くん」なのかよ。
あくまでプレイ続行なワケね。
そこまで場を乱したくない徹底ぶり。
こりゃ、途中で「鼻くそにたえきれずリタイア」
なんて出してしまった日にゃぁ、
「プライド損傷、プラス名誉棄損」で訴えられそうだ。
・・・いやしかし、むしろ訴えたいのはこっちの方だが。
よし、これはホクロだ。
そうだ、この人は鼻の下にデッカイほくろがあるんだ!!
チエはそう暗示をかけて、しっかりと先生の顔を見据えた。
「せ・・・先生・・・・・・・・・・ぶふっ!!」
・・・・・あぁっ!!!・・・やっぱ無理!!
どこに、青白いほくろを付けて、
呼吸とともに揺らしてる人間がいるのよ!!!
・・・・やっぱ、どう考えても無理だぁーーーーーっ!!
「せ・・・・・・・先生・・・・・」
「なんだね?」
「あ・・・あのですね・・・・・・」
「なんだ、言ってみなさい」
・・・・い、言っていいのね??
「は・・・・・」
「・・・・は??・・・」
「鼻の下に・・・・・・」
「鼻の下・・・???」
「・・・・・・ゴミが付いてます・・・・・・」
・・・・・・言っちゃった・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく無言の時間が流れ、
先生は自分の鼻をこすって、取れたその「ゴミ」に目をやった。
「・・・・・・あぁ、」
顔はみるみる真っ赤になり、
鼻くそをティッシュで拭くと、急いで捨てた。
「・・・・・プレイ、続行しますか?」
おそるおそる聞くチエに、先生は目も合わさずにひとこと。
「・・・・あ・・・いや、・・・もういいです。すみません」
あぁ・・・・・・・・・・・失敗した。
本心で後悔しました。
でもでも、笑い飛ばして、恥をかかせるよりは、
配慮できた方だよね!?!?
・・・・・いや、いっそ笑い飛ばしてあげた方が良かったのか??
たとえもしこのまま、
鼻くそに耐えて時間を終わらせられたとしても、
駅のどこかや、家に帰ったあとで、
鏡の中の自分を見たとき、
絶対にチエを恨むに違いないもの。
「・・・・・・・・・・・いつからだ!?」
「・・・・・・・・・・店を出た後か!?」
「・・・・・・・・・・・いや、プレイ中すでに!?」
「・・・・・・・はっ!!・・・あのくしゃみはもしや!?!?」
・・・・・・などと、一日をぐるぐると思いだし、
きっと後悔の念に駆られて
夜を過ごしてしまっただろうし・・・・・・
いや、考えすぎか???
とにもかくにも・・・・・・・・・・・・
・・・撃沈・・・OTZ
次回の「風俗嬢ってどないやねん」は8月28日アップの予定です。
チエ
大阪・ミナミの風俗3ねんせい。一緒に暮らしている彼にバレることなく仕事を続け、ガッポリ貯めこんでいる。